【 四十肩・五十肩について 】

四十肩・五十肩は、肩関節の周囲に起こる炎症の総称で、
「肩関節周囲炎」とよばれています。

四十肩・五十肩の発生の原因は、
西洋医学でもはっきりとはわかっておりません。
長年にわたっての疲労の蓄積と、ホルモンバランスの変化が
関係していると考えられています。

人間の手指は、微細・繊細な動きが可能です。
肩関節は色々な動きを行うために、とても広い範囲を動かせるようになっています。
繊細な動きのために沢山の筋肉が働いており、
構造が複雑なので、それだけに炎症が起こりやすい部分ともいえます。

四十肩・五十肩では、急性期・慢性期ともに、
普通の肩こりとは全く違う、激しい痛みや運動制限が特徴です。
急性期は、腫れや熱感と共に強い自発痛・夜間痛をあらわし、
慢性期・回復期になると、
動作時痛のみ、または運動制限があることが多く、
総合病院や整形外科では鎮痛剤や睡眠導入剤を処方されて、
自発痛や夜間痛の緩和をされるケースが多いようです。


【 回復までの期間 】

医療機関で治療を受けずに、放っておいても
いつのまにか治ってしまう方もいらっしゃいますが、
違和感がなくなるまでに1年~3年位かかることが多く、
痛みの感じ方や運動制限の強さなど、経過もそれぞれです。
再発を繰り返すケースもあるため、
リハビリと並行して治療を継続された方が、
長い目で見ると、後々の経過は良好となります。


【 鍼灸治療では 】

急性期は、炎症を鎮めながら、
常に感じる強い痛み、自発痛や夜間痛を緩和していきます。
慢性期・回復期では、 痛みを緩和しながら、
凝り固まってしまった関節や筋肉の緊張や硬結を解きほぐし、
ストレッチや運動もとりいれて、可動域を広げていきます。

この時期に、全く動かさずに放置してしまうと、
可動域 ( 腕や肩を動かす範囲 ) が、狭く固まってしまう可能性があるため、
痛みを緩和しながら、リハビリ運動を行い、
可動域の維持と向上を目指します。

鍼灸治療では、痛みが強い部位や動かしにくいところだけでなく、
手足、背中や腰など、全身の治療します。
ホルモンバランスの変化や、日常的な疲労の蓄積が、
症状に影響を与えていることを考慮し、
肩頸まわりだけではなく、全身の調整をおこなうことで、
身体の本来持っている力、治癒力を高めていきます。


【 東洋医学的な観方 】

東洋医学的な観点では、
四十肩・五十肩は、風寒湿による ” 痺病 ” としてとらえられます。

風気が強い場合は行痺
寒気が強い場合は痛痺
湿気が強い場合を著痺

三気の混在と共に、筋のひきつりが強い時や夜間痛が強い場合は血虚、
慢性化して痛みよりも運動制限が強い場合は瘀(お)血の存在を考えます。
冷えによって、流れが停滞して痛みが強くなる状態や、
陽気の発散の悪さから、熱が停滞して痛みがでている状態などを判断して、
痛みや運動制限が発生している経絡の気や血の滞りを改善するとともに、
体質的な要因をふまえて、全身調整の治療をしていきます。