花粉症は体調のバロメーター
花粉症、今年もそろそろシーズン到来ですね。敏感な方は1月半ば辺りから、なんとなく喉が痛い、痰が出る、咳込みやすい、肌のかゆみなど花粉の気配を感じています。
毎年、毎日の花粉情報から、『 花粉の飛散量 = 症状の辛さ 』 と、捉えている方も多いと思いますが、『 花粉飛散量 』 = 『 身体反応 』 ではありません。
(花粉が飛んでいる映像を見ていると、確かにそれだけでムズムズしてきますけれども。)
花粉症は身体が疲れている時ほど強い・きつい
毎年症状があらわれるのに、年ごとに微妙に症状のつらさが増減するのは、花粉の飛散量よりも身体の疲労の影響が大きいです。体調が低下していると花粉症も強くなり、体調が良い年には花粉やアレルゲンに触れても症状は軽く過ごせます。
仕事が忙しくてストレス過多、睡眠不足、食事や休息がとれていないなど、体力が低下して体調が不安定な年は、花粉症の症状もきつい。ひどくなると微熱が続いて、風邪と同じような症状が続くこともあります。
その一方、体調が安定している時は、花粉の飛散量が多くても症状が楽という方が多いです。
身体の弱いところに症状はあらわれます。
ある意味、体調や体力のバロメーター。
今年は特に花粉症がつらい、いつもの薬が効かないという場合、
強い薬に頼るよりも睡眠や食事などベースの部分を見直すことが大切です。
外からの刺激に対する反応や感じ方は、身体の状態によって異なるもの。
チョットした変化も身体の状態を知らせている信号と捉えて、早めに対処しておくと、花粉症など季節の体調変化も楽に乗り切り過ごすことができます。
花粉症 ~ 鍼灸・東洋医学の視点
鍼灸・東洋医学では花粉症は水毒を重視して対処します。
(水の停滞や過剰な滞り)
花粉症は、風(ふう)が外邪として入り込み、体内に停滞した過剰な水があふれて症状があらわれる症状。
湿邪、痰飲、痰湿等、水・湿、熱の関係や寒熱の波及を考慮した処置をします。
やせ形で体力がない虚証タイプは、鼻水や涙など分泌物が多めで、花粉症による睡眠不足から疲れやすく、実証タイプは、過剰な熱によりかゆみや湿疹症状があらわれることもあります。
水毒の解消のためには気虚・気滞など動きづらくなっている気の流れをスムーズにする必要があります。
鍼やお灸で気の流れや滞りを解消、胃が冷えて動きが悪いことが多いのでお腹もしっかり温めます。
冷え・脾胃の低下と花粉症 ~ お腹を温める
虚証、胃腸が弱い方の養生の基本はお腹を冷やさないこと。お腹の冷えは厳禁です。
お腹が冷えていると胃腸や消化器系の働きが低下し、水の停滞から鼻水や涙など水の症状が強くなります。このタイプの方は、冷飲食を避けて消化の良い温かい食べ物を食べましょう。
顔や頭の周りがほてっていたり・のぼせていたら、頭や首まわりは冷やして。お腹と足元はあたためてください。
在宅で動く機会が少ない方は、シソの葉やドクダミ茶がおすすめ。気を巡らせるネギや紫蘇、柑橘類も良いですね。
甘味や甘い飲み物、アルコールは控えたほうが無難です。
虚証~中間証で鼻水や涙がつらい人は、身体を温めて水はけを良くする漢方薬もおすすめです。
風邪や鼻水の『 小青龍湯 』が有名ですが、体質によって気の巡りを良くする漢方、胃腸ケアが良い場合もあります。
有効な対策は体質・体調によっても変わるため、迷ったら専門家に相談しましょう。