気管支喘息

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気管支喘息の症状

気管支喘息とは、気管支・気道粘膜の慢性的な炎症反応により気管支の内腔が狭くなり、外界からの様々な刺激に対して過敏な反応をおこして発作的症状をくりかえす症状です。

炎症をおこした気管支粘膜の浮腫、粘液腺の分泌亢進、気管支周囲の筋肉の異常収縮や、気道の狭窄がみられます。発作性の呼吸困難、喘鳴、咳嗽(がいそう)、喀痰、起座呼吸が主な症状です。

発作時は咳嗽、息苦しさ、息が詰まる感じ、喘鳴を自覚。症状は日中よりも夜間にひどい場合が多く、就寝時よりも就寝後深夜から明け方に発作がみられます。

小児期には発熱もみられます。成人期では発熱はみられず、喘息発作が単独でおこります。

気管支喘息と西洋医学

西洋医学の治療では気管支拡張薬や抗アレルギー剤、ステロイド薬での症状緩和が主となります。

アトピー型・非アトピー型気管支喘息

気管支喘息はアトピー型(外因型)と非アトピー型(内因型)があると考えられています。アトピー型気管支喘息は子供に多く、アレルゲンが発症に関わっており、多くはほかのアレルギー症状をもっています。鼻炎、結膜炎、皮膚症状などもみられます。

小児喘息は思春期になると大半は自然治癒しますが、その半数は成人期に再発するといわれています。

非アトピー型は内因性と考えられています。自律神経症状とともにあらわれることが多く、エアコンなどの冷気、激しい運動、精神的ストレスなどでも誘発されます。

発作が春や秋など季節の変わり目にあらわれやすいことや、夜中から明け方におこりやすいことから自律神経機能の不安定状態が発症に関係していると考えられています。遺伝的素因も関係しているとされています。

また、咳喘息とよばれる咳嗽のみで喘鳴を認めない症例も増加しています。

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気管支喘息と鍼灸

鍼灸では身体に停滞している熱や湿をとりのぞき全身の気血の流れをととのえることで気管支喘息症状があらわれにくい身体にします。

また、喘息発作が続くと身体に力が入り筋肉が緊張するため、肩背中だけでなく身体の節々、いろいろな部位の痛みがあらわれます。 咳が続きこわばっている肩頸や背中の筋肉の緊張をゆるめる鍼とお灸をおこない、身体の痛みや睡眠障害など喘息による二次的症状を軽減、喘息があらわれにくい身体に体質改善をします。

鍼灸では気管支喘息は東洋医学の五臓、どのはたらきの変調でもおこると考えます。喘息症状は外的なアレルゲンだけでなく風邪(ふうじゃ)や寒冷、乾燥など外界の影響により肺や脾胃のはたらきが低下して気が虚する、気のめぐりが悪くなり肺に熱がこもってあらわれると考えます。

肺や脾が冷えて停滞した湿が痰飲となり、喘息の要因となるなどいろいろなケースが考えられます。気管支喘息では過度なストレスによって脾胃のはたらきが低下して、お腹がかたく胃腸の働きが悪くなっていることもあります。

気管支喘息が慢性化している場合やホルモンバランスの変化が関わっている場合、血の停滞が身体機能の低下につながっていると考えます。

喘息体質とストレス・季節

小児の喘息はもともとの体質によるところが多く、東洋医学の肺また脾胃、腎が弱い体質であることが多いです。

成人してから発症した喘息は生活環境の影響が大きいため、外からの刺激をとりのぞくだけでなく、ストレスによる自律神経の調節の乱れをととのえることも大切になります。

年齢を問わず慢性化している場合は、乾燥する時期、湿気の多い時期など季節的な変化をみながら身体をととのえることが必要です。小児、成人ともに症状の軽減だけでなく、全身的な体調をととのえて喘息発作がおきにくい体質にしていくことが大切になります。

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