葛湯で身体を温める 冷え症・かぜ対策
2月に入り、寒さも佳境。この季節、冷え性さんや風邪を引きやすいお子様におすすめは『 葛湯 』です。
『 葛湯 』は身体を芯からあたためる、冬におすすめ飲み物です。
小さい頃、風邪をひきそうな時に『 葛湯 』 をお母さんに作ってもらった、よく飲んでいたという方がいる一方、『 葛湯 』 といわれても、正直聞いたことはあっても飲んだことがないという方も多いと思います。
私も葛もちや葛切りは知っていてもそれほど食べる機会があるわけでもなく、『 葛湯 』は正直遠い存在でした。大人になってから、というより東洋医学に興味を持つようになってから『 葛湯 』の効能を知り、飲むようになりました。
『 葛湯 』とは『 葛粉 』を溶かして温めたとろみのある飲み物で、7 ~ 8世紀ごろより日本で飲まれてきたといわれています。
原料となる植物の根を砕き、水にさらしてデンプンを抽出。不純物を取り除いく作業を何度もくりかえす『 寒晒し 』という工程を経て『 葛粉 』になります。『 葛粉 』として抽出されるまでに大変手間がかかっているため、お値段的には少々高価ですが、昔からそこまでしてでも欲しいと思われて必要とされてきました。
子どもの風邪や胃腸不良・更年期にも安心な葛湯
『 葛 』といえば、風邪の初期に飲む漢方薬『 葛根湯 』が有名です。葛には血管を拡張させて、血液の老廃物を排出させる力があるため、葛湯を飲むと身体がポカポカ温まります。寒さが増すこれからの季節の冷え防止やむくみ解消にも効果を発揮します。
また、胃腸不調や消化不良時の整腸作用もよく知られています。腸内環境が改善されて、腸の働きがととのうため、年末年始の外食が増える時期の胃もたれや身体のおもさを感じた時に飲むと胃腸の負担が軽くなります。
『 葛 』に含まれるでんぷんは炭水化物のため、消化に負担をかけずにエネルギー補給ができます。下痢、風邪、体力消耗時は、とにかく胃腸をやすませることが大切なので、病気で食欲がないときや、食べ物を口にできないときにの栄養補給源になります。
また、『 葛 』に含まれている「ダイゼイン」は女性ホルモンと似た働きをする「イソフラボン」の一種。そのため、更年期の不調を緩和させる力や月経痛の緩和があると見直されています。
赤ちゃんの離乳食にも使われているものなので、離乳食を始めた赤ちゃんの便秘や子どもの風邪のひきはじめに安心して飲ませることができます。
おだやかな効果なので日常的に飲めるのが一番の安心ポイント。
『 葛湯 』として飲むのであれば、『 本葛 』または『葛100%』を購入して好みのお味に調整するのがおすすめです。
いろいろな場面で助けてくれるので、これからの季節『 葛粉 』をお家に常備しておくと安心です。
葛湯の作り方
【 材料 】
葛粉 10g
熱湯 100g
砂糖またははちみつ(好みで)適量
【 作り方 A 】
・ 葛粉を水に溶かして、茶こしで濾します。
・ 鍋で加熱します。徐々に色が透明になり、とろみがついていきます。
よく練り混ぜるのがポイントです。
・ はちみつやゆず、生姜など、好きなものを入れて、お好みの味にします。
【 作り方 B 】
・よく温めた器に葛粉を入れます。
約10gのぬるま湯でよく溶きます。
(こうすることでダマになるのを防ぎ、ムラなく仕上がります。)
・沸騰したお湯を注ぎ手早く混ぜます。
・仕上げにお好みで砂糖やはちみつを加えて完成です。葛湯を作る際に「透明にならなかった」 「固まらなかった」という
場合があります。それは葛粉に加わる熱量が足りなかった為です。失敗しない為には
・器はしっかり温めておく
・葛粉を溶く際、ぬるま湯を使用する
・必ず沸騰したお湯を使用する
・砂糖は仕上がりに加える
以上の4つを心がければほとんど失敗はありません。
(作り方Bは 葛屋中井春風堂さんのレシピより)
水で溶いて熱を加えながら味付けをするほかに、りんごジュースでつくったり果物を加えるなどお好みの味を見つけてくださいね。