花粉症とは
花粉症は、アレルギー症状。
炎症反応です。
年齢を重ねるとアレルギー反応の変化から、症状が軽くなるといわれますが、
ミドルエイジ以降に花粉症になる方もいらっしゃいます。
花粉症対策は、体質、年齢、生活環境を含め全体で考える必要があります。
花粉症の治療
花粉症の治療は、お薬による対処療法がメインとなります。
そのほか、体質改善を目的とする免疫療法、漢方薬、鍼灸があります。
【薬物療法】
眼・鼻・など、症状に合わせて点眼、点鼻薬で症状を緩和します。
【免疫療法】
皮下免疫療法、舌下免疫療法など。
アレルゲンを身体に投与して体質改善、症状軽減。
(数年の時間が必要となります)
【漢方薬】
体質や症状に合わせて選択されます。
※ 漢方の専門家へ相談要
【鍼灸】
体質や症状に合わせて施術。
局所的な改善と体質改善を目的とする。
花粉症への鍼灸
【鍼灸】
局所的な改善:炎症抑制、血行改善
体質の改善:免疫機能の調整、自律神経機能の調整
鼻や目の周りの血行を良くすることで、粘膜の炎症を改善。
症状緩和が期待できます。
重い花粉症の方は、この時期、日常的な「微熱」、「頭痛」、「倦怠感」に悩まされます。
鍼灸による局所と全体へのアプローチで、
「微熱」、「頭痛」、「倦怠感」
といったこの時期に感じる何となく不調を軽減します。
体質改善の鍼灸
花粉症は炎症反応。自律神経の乱れで症状の増悪がみられます。
即時的な効果ではありませんが、鍼灸で体調をととのえておくと、
毎年の花粉症状のあらわれ方が変わるのが実感できます。
体質改善は疲労をためないことが大切
体質改善のためには、
鍼灸だけでなく食事や冷え防止など日常生活の改善が必要になります。
実感まで少々お時間はかかりますが、
身体が変わると、毎年感じていた不快感が変わります。
季節の変わり目が楽になる
めまいや不安感、頭痛、睡眠不調など季節の変わり目に体調変化を感じる方は多いです。
食事や冷え改善など、セルフケアをしてみたけれど変わりない時は、
方法や方向性が合っていないのかもしれません。
少し早めの時期からの鍼灸で、季節の変わり目を楽にお過ごしいただけます。
鍼灸・東洋医学の視点から
当院の花粉症の鍼灸では、東洋医学的な視方にてアプローチ。
『 気・血・水 』の滞りを解消することで、五臓をととのえ、
身体が過剰な反応をおこさずバランスを保てる様にサポートしております。
春は発散の季節
『春は発散』
身体にため込んだものを排出する季節
『余分なものは溜め込まず』
『排出すべきものは積極的に外に出す』
くしゃみや鼻水、目の痒み、皮膚症状(かゆみや発疹)は炎症症状。
不要なものを外へ排出しようとする防御機能システムです。
この機能が過剰反応しないよう、
あらかじめ身体の状態を整えておくことが大切です。
花粉症-疲労と体調
花粉症は毎年の花粉飛散量を気にしがちですが、
症状の強弱要因には
その時々の体調が大きく影響しています。
身体をゆるめ、バランスをととのえて回復力を後押しする鍼灸をおこないます。
気血水の巡り・胃腸の働きをサポート
胃弱(体質)で水の巡りが滞っている、
ストレスで気の流れが停滞(気滞)していることが多いため、
・水の停滞
・気虚
・気滞
を中心に見ていきます。
花粉症の鍼灸では『 気・血・水 』の 巡りや五臓のバランスをとることで、胃腸の働きを助けて、身体の過剰な反応を落ち着かせます。
花粉症と身体の冷え
花粉症がきつい方、
足先を触るとびっくりするほど冷たい、お腹も冷たい。
胃腸はそれほど強くない。
お腹もゆるめ。どちらかというと下りやすい。
又は、便秘と下痢をくり返している。
上半身はのぼせているけれど下半身が冷えている。
いわゆる『 冷えのぼせ 』の方も多いです。
『冷えのぼせ』『 上実下虚 』は、冷えている部位を積極的に温める必要があります。
花粉症のセルフケア お灸と食事
セルフケアのお灸
花粉症のセルフケアはお灸がおすすめです。
手の合谷、曲池、手三里。足の足三里、大衝。
お灸は手軽につかえる簡易灸でOK。
お灸ができない顔周りは、顔周り、鼻の周り、顔の胃経の押圧がおすすめです。
皮膚は動かさず、垂直に押圧。痛くないくらいに5~10秒押します。


花粉症予防の食事
花粉症は胃腸が冷えて弱っていると強くあらわれやすいので、お腹を温める食事を推奨します。
鍼灸・東洋医学的には、花粉症は『 脾 』が弱っていることが多く、
湿邪、水の停滞を招く甘みやアルコールの過多は厳禁。
上半身に熱がのぼりやすいので、極端な辛味や刺激の強い食べ物は控えましょう。
花粉症におすすめの食材
- 長いも - 山薬とよばれ、胃腸のはたらきを良くして免疫力を高めます
- レンコン - 胃腸を助けアレルギー体質の改善に有効です
- シソの葉、にら、春菊 - 気の巡りをスムーズにする
- 大根、ゆり根 - 水を巡らせる( 水の停滞、むくみが強い時に)
- 生姜、長ネギ - 身体をあたためて血行を良くする
- 山菜
春の食材、香りの強い山菜は苦味が強く、少量でも食事のアクセントになります。
東洋医学では苦味は解毒や炎症を鎮める作用があると考えます。
新鮮な山菜が手に入るのであれば、この時期にぜひ取り入れて欲しいおすすめ食材です。
お茶
解毒・抗菌作用の強い『 ドクダミ茶 』、
かゆみ対策に 『 べにふうき茶 』 もおすすめです。
発酵食品
花粉症やアレルギー症状の改善には腸内環境が大切。
発酵食品はもちろんおすすめですが、気をつけていただきたいのが発酵食品の食べ方。
『 発酵食品を冷たいまま食べない 』
ヨーグルトや納豆、ぬか漬け、ザワークラウトなど発酵食品は、冷たい状態で食べることが多いので、胃腸を冷やしてしまうマイナス面もあります。
お腹を冷やさないように常温にしてからがおすすめです。
継続は力なり
地味なケアでも続けると身体は変わります。
私も学生時代から花粉症。
花粉の時期は苦手でした。
鍼灸+セルフケアを積極的に始めてからは、
春と秋に花粉症状は出ますが、日常生活は服薬なしで過ごせています。
一番大切なのは毎日のケア、身体づくりであると実感しています。